温泉名・施設名:観音寺温泉 長生館
場所:新潟県西蒲原郡弥彦村観音寺179
[地図]訪問日:2009.05.30(土)
泉質:含硫黄-ナトリウム-塩化物泉
日帰り入浴料金:600円 (小タオルあり)
勝手に5段階評価:☆☆☆☆
観音寺温泉の湯元、観音寺温泉「
長生館」。2011年3月末、惜しまれつつ閉館した。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震により源泉が大きな損傷を受け、温泉の湧出が止まり、簡易調査の結果、自然回復の見込みはかなり厳しいことが分かり、閉館することになったという。
観音寺温泉は、応徳元年(1084年)、自然湧出している冷鉱泉が発見され、この土地の名を取って「観音寺」と名付けられたという。弥彦温泉郷の3つの源泉の一つ(他は弥彦湯神社、弥彦桜井郷(
ブログ参照))。
長生館は創業明治20年の老舗旅館で、この源泉を所有する宿である。一時期、この源泉は弥彦温泉全域に引き湯されていた。2007年11月に弥彦湯神社温泉の供給が開始されるまで続いた。
他の宿からは少し離れた、ひなびた1軒宿。
土日祝日は朝8時から日帰り入浴客を快く受け付けてくれた(平日は13時から)。

ロビー。綺麗に磨き上げられた床が印象深い。

浴槽は男女別の内風呂のみである。
湯は極わずかに白濁し、少塩味、微硫化水素臭あり。肌はつるつるする。

浴室の角に、飲泉して下さいとばかりに非加熱の源泉が垂れ流されていた。柄杓などはなかったが、飲泉してみた。
浴槽の湯よりも鮮度が良いためか、硫化水素臭を強く感じ、少塩味、たまご味もした。さらに、鉄味鉄臭も感じ、白い湯花も見られた。

宿の近くにある、温泉の名前にもなっている「観音寺」。
弥彦山スカイラインの入口にあり、寺自体よりも金色に輝く巨大な観音像の方が目立つ。

良質な源泉もさることながら、妙に温かみと味わいのある宿であっただけに、閉館は残念極まりない。
新潟県を直撃した2004年の中越地震の時でさえ湧出し続けた源泉が、遠く離れた太平洋沖を震源とする地震で止まってしまったのも、丁度この源泉の寿命だったと考えることもできるのか知れない。
なお、この源泉を引いていた宿は長生館以外に4軒ほどある(12軒の個人宅にも配湯されていたらしい)。それらの宿の今後も気になるところである。
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